人生という日常の合間に見つけた平凡な感動や、過ぎ去る時間のぼんやり思惑。 人生紀行

 
No.9 僕の2日間保育士 2003.10. 3

 大学時代の友達が代表(仮)を務める保育所を手伝ってきた。
 3時間程を2日間だけ。人手が足りない状況とかで、急きょ召喚を受けたのです。
 現在は0才児から3才児までの子供が8名程の保育所。引越し時期の関係で保育園や幼稚園に入園できなかった子供の一時預かりをする小さな施設。(年度末になると預かる子供の数も増え、私が手伝った9月のときはまだ少なめだそうです。)
 
 2時半に到着して園内に入ると、みんなはお昼寝の時間でした。3時を前に徐々にみんな起きてくると、知らない男の人が突然いてみんなおっかなびっくり。
 常時3・4名いる保育士の人は全員女性なんで、私のような男がここに居ることに違和感を覚えるのでしょう。 まだ喋らない子なんかはじーっと警戒するように見つめています。「こんにちわ」と挨拶をすると声の低さに驚くようにまたまたじーっと見つめられます。さすがに3才くらいの子はなんのかんのと聞いてきては「この人は安全で、遊んでくれる人だ」とわかると「本読んで」とか注文が入る。
 こちらも「気に入られたい」というスケベ根性が働いてるせいか、みんなに乗せられていいお兄さん(おじさん)っぷりを発揮して遊んでしまいました。0才の女の子を抱きあげていると、自然と他の子たちは子供同士で遊び始めます。こちらが沢山構ってあげられないこと分かるんですね。
 2日間の臨時保育士で子供と遊ぶだけの「美味しいとこ取り」だったから楽しい体験になりました。でも私に保育士はあんまり向いてないかも。子供たちが何か悪さしてるとつい怒鳴ってしまいそうになるし、他の保育士さんのように愛想豊かに接するのはそれほど巧くないから。それに、結構ほかっておくタイプなので危機管理に甘いと自己分析するのです‥。だから、手伝いに入ってる間に何事もなく時間が過ぎてほんとに良かったと、胸をなでおろした次第。そのせいもあって、たったの2日間なのにとても疲れてしまいました。「子育てって楽しくとも大変。」(←保育です。)
 
 

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