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土楼の中、「白く粘りのあるモノ」を男は黙々と練っていた。両手でたぐり寄せるように巧みに練り上げているそれを「小麦粉だろう」と思っていたが、翌日に硬くなったその白いモノが短く切られて量り売られるのを見て「飴」だと分かった。
いわゆる「たんきりあめ」。
承啓楼の名物ともいえるその飴は気まぐれに手作りされるから、いつも買えるとは限らない幻の味。
口に含むと優しい甘さと幼い頃の記憶がゆっくりと溶け出すのだった。
『飴練りの翁』 <中国/永定/高北村/承啓楼> 47×33p 2003.5 |
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